世界と日本の“お掃除意識”を比較!世界お掃除アンケート 2025

ケルヒャーは、世界10カ国・10,000人を対象に“お掃除意識”を調査。各国の結果から見える“世界と日本の特徴”をご紹介します。

世界と日本の“お掃除意識”を比較!世界お掃除アンケート 2025

このアンケートでは、お掃除に割く時間や、お掃除後の「自分へのご褒美」、お掃除が心と体の健康に与える影響、お掃除で譲れないポイント……など、各国の興味深いお掃除事情が明らかになりました。また、国際的に見て、日本人にはいくつかの興味深い傾向があることも分かりました。


“きれい好き”な日本人、実は“ほどほど掃除派”?

「家が清潔であることは個人的にどれくらい重要ですか?」と、各国の衛生意識を調査したところ、国際的には93%の人が「家が清潔であることは重要である(非常に・ある程度)」と回答しました。実に9割以上の人が、家がきれいであることを重視しています。

しかし実際には、1週間のうち掃除に費やせる時間は「1時間以内」という人が、約半数(47%)という結果に……。清潔が大切だと思いながらも、掃除の時間はあまり長く取れないという現代のお掃除事情が分かりました。

さらに、より詳しく見ていくと興味深い結果が見えてきます。中でも興味深いのが日本の結果でした。

日本に見られる他国と異なる傾向

国際的に「きれい好き」のイメージがある日本人ですが、家が清潔であることが「非常に重要だ」と答えた人は、10カ国中で最も少ない結果となりました。その代わりに「ある程度重要」「どちらでもない」と答えた人が最も多く、「家は“ほどほどに”きれいであればよい」と考えている人が多いようです。

これは、掃除時間の短さにも裏づけられます。「お掃除は週に何時間しますか?」という質問に対して、日本人の約6割が「週に1時間以内」と回答しています。「2時間以内」という人も加えると8割にのぼり、国際的にも日本人の掃除時間の短さが際立っています。

日本人にとってお掃除とは、「ササッと短時間で効率的に済ませたい家事」であり、その達成度は「ある程度、家の中が清潔に保てればよい」というものだと分かります。これは自宅へ人を招くホームパーティーの文化が欧米ほど普及しておらず、人の目ではなく“自分の快適さ”を基準に、自分や家族にとって心地よいお掃除ができていれば満足だ、ということの表れかもしれません。

このような日本人とは逆に、イギリス人の40%は、誰かが家に来るということを掃除するきっかけと捉えており、同様に40%のアメリカ人も、誰かが家に来るというと、直前に家(特にトイレ周り)を掃除すると回答しています。


掃除後の満足感、日本人は“義務完了型”

お掃除は、単に家をきれいにするだけでなく、心の健康を保つためにも重要です。中でも日本の回答者は、お掃除が終わって部屋がきれいになった時に、精神的な満足感を強く感じていることが分かりました。

日本に見られる他国と異なる傾向

「お掃除を終えて部屋がきれいになった時、どのような気持ちになりますか?」という質問では、日本の約7割が“やるべきことを終えた達成感”を感じています。ドイツ人、オーストラリア人に対して同じような質問をしたところ、「自分の分担をこなした満足感がある」と回答した人は60.6%で、日本人は、お掃除に対して「義務を果たした達成感、満足感」が強い傾向にあります。

また、「心が落ち着く」 と回答した日本人は49.1%で、清潔な環境が精神的な安定につながるという意識も裏づけられました。

掃除の後のご褒美、日本人の楽しみは“家カフェ”

「お掃除の後に、自分へのご褒美として何かしますか?」という質問では、お掃除のモチベーションとして“自分へのご褒美”を用意している人が、世界全体で約3~4割いることが分かりました。中でも、自分へのご褒美を最も高い割合で用意していたのがアメリカ人(47%)でした。半数近い人が、ご褒美をモチベーションにお掃除をしています。逆に、ご褒美をあまり必要としていなかったのがドイツ人(34%)です。ドイツの回答者の大半は、「TODOリスト」にチェックを入れることと、お掃除の効果、それだけでご褒美だと感じているようです。

日本に見られる他国と異なる傾向

日本の回答者では、お掃除の後に“自分へのご褒美”として何かをする人は36%、特に何もしない人は64%でした。

では、自分へのご褒美では何をしているのでしょうか? 「お掃除をしたご褒美として何をしますか?」という質問の答えで最も多かったのは、「飲み物やおやつを食べる」ことでした。この回答は、国際的に見て日本が最も多く、日本人はお掃除できれいになった部屋で、“家カフェ”を楽しんでいる様子がうかがえます。

また、お掃除をした後には「散歩やスポーツをする」「出かける」「自分にプレゼントを買う/買い物に行く」といった、 “家の外に出かける楽しみ”を行う人が多いのも、日本の特徴といえるでしょう。


日本人の譲れない汚れは“トイレ&ホコリ”

「あなたにとって譲れない汚れとは?」という質問では、国際的に最も多かったのが「トイレの汚れ」でした。しかし細かく見ていくと、“譲れなさ”のポイントに、それぞれのお国柄が見えてくるのが興味深いところです。

例えば、「シャワーや排水口の水あか・カビ」が譲れないと答えた人は、国際平均では37%でしたが、ドイツ人の回答者では48%もいました。

また、「ソファや床に落ちている食べ物のカス」は、アメリカ人の50%が譲れない汚れだと回答しており、国際平均の37%を大きく上回っています。

日本に見られる他国と異なる傾向

日本の回答者では「トイレの汚れ」と答えた人の割合が最も多く、これは国際的にも同じ傾向ではありますが、日本では他の回答よりも突出していることから、トイレ掃除は、日本人の衛生観念の象徴だといえるでしょう。

また、「ホコリまみれの床や表面」と答えた人の割合が、国際平均よりも有意に高くなっており、日本人は他国の回答者よりも、「ホコリ」に対する意識が高いことがうかがえます。


お掃除で健康改善!? 日本人は“アレルギー緩和”に注目

お掃除は、目に見える汚れを取り除くだけでなく、健康面にもさまざまな良い影響を与えています。

 

日本に見られる他国と異なる傾向

今回の調査では、日本人の約6割(63%)が「アレルギー症状の緩和」を最も多く挙げました。これは、10カ国の中でも高い割合で、アメリカ(64%)と並ぶ結果となっています。

日本では、お掃除を「きれいにするため」だけでなく、健康を守るための習慣と捉える人が多いことが分かります。ハウスダストやダニなど、アレルギーの原因となる汚れへの意識が高いことも特徴的です。

一方、オーストリアやベルギー、オランダでは、「家がきれいだと睡眠の質が上がる」と回答した人が5〜6割を占めました。

また、ポーランドやフランスでは「掃除を運動の一部として行う」と答える人も多く、
健康の感じ方やお掃除の目的には、国ごとの違いが見えてきます。

日本では特に、“ホコリを減らすことでアレルギーを防ぐ”という考え方が強いようです。
日本耳鼻咽喉科学会の調査(2019年)でも、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎を持つ人は約4人に1人。アレルギーの原因になるダニ(チリダニ科のダニ)は温暖で湿気の多い気候を好み、日本はダニの影響を受けやすい環境にあります。ハウスダストに敏感な人が多いことにも頷けます。

「世界お掃除アンケート2025」を通じて、日本人はどうしてもやらなければならない「お掃除」という家事に対して、義務を果たすことで心の満足感を得ていること、しかし、できれば時短で効率よく済ませたいと思っていることが分かりました。また、気になる汚れや健康面への影響については、トイレの汚れやアレルギーを引き起こすハウスダスト(ホコリ)を特に気にしていることも分かりました。

ケルヒャー ジャパンでは、本調査から読み取れる日本特有の掃除習慣を踏まえ、お客様のニーズにあった清掃ソリューションを提案します。また国際的な意識にも学び、日本における取り組みを推進してまいります。

調査について

使用されたデータは、Dynata社(オンラインリサーチ会社)が実施したオンライン調査に基づくもので、2025年5月に18歳から65歳までの合計10,000人が参加しました。調査は全ての国の代表性を確保し、性別・年齢・地域別の割当基準を設定。ドイツ、アメリカ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、フランス、オランダ、ポーランド、イギリス、日本の各国内で、少なくとも1,000人以上の回答者から回答を得ています(日本の回答者数:1,000人)。

世界と日本の“お掃除意識”を比較!世界お掃除アンケート 2025