芝生のメンテナンスと雑草対策のポイント

冬が終わり、草花が開花し始める頃、膨大な量の屋外清掃の仕事が自治体や清掃事業者を待ち受けています。公園内の芝生を刈り込み、雑草を取り除き、 遊歩道や駐車スペースに落ちている落ち葉や埃、塵などを取り除かなくてはなりません。芝生や植物の知識だけでなく、適切な機材と清掃作業に関 する知識があれば、屋外清掃におけるあらゆる業務に対処することができます。

芝生のメンテナンスと雑草対策のポイント

1:緑地の維持

芝生は、公園のメンテナンスの中でも最も重要な位置を占めています。5℃以上の地温、養分、10~25℃の外気、水はけの良さと継続的な給水─これらは、草が健康に成長するための基本条件です。通常、3月から5月にかけて急速に成長し、乾燥した気候と暑さのため真夏は一旦緩やかになり、秋に再び成長し、12月から2月の冬の間は止まります。 葉は、水分が根から葉脈を通って葉の先端まで運ばれることで成長するため、芝生エリアを維持するためには、芝草を一定に揃えて、刈りすぎないようにする必要があります。短く刈りすぎてしまうと、葉が抜けて乾燥し、芝草が枯れてしまうことがあるからです。芝草を刈る高さと頻度は、芝生の種類によって異なります。

column04_img02_02
芝生エリア 刈り込み回数(3月〜11月) 刈り込み頻度 刈り高(mm) 適正草丈(mm)
ゴルフ場 150〜220 毎日 3~6 4~8
サッカー場 25〜45 5〜10日 30〜45 60〜90
遊び場 15〜25 7〜14日 40〜50 70〜90
家の芝生 25〜40 7〜14日 35〜45 70〜90
公園 3〜20 2〜6週間 35〜45 70〜90
花の芝生 4~9 1〜2ヶ月 50〜80 100〜500
花の牧草地 1~3 1年に1度 80〜120 500〜1000

※上記は海外での例となります。ご注意ください。

芝生のメンテナンスに最適な機器

作業ごとに最適な草刈り機とは?

海外の自治体でよく使用されるのは、鎌式の草刈り機です。その稼働域の広さと、簡単に刈り高調整が行えることから、公園、運動場および遊具広場での作業に適しています。草木を手入れする際、メンテナンスされていないブレード(回転刃)で刈り込むと、枯れ込みにより白く変色してしまいます。鋭利なブレードで引き抜くように刈り込むことが重要となるため、機器の刃は非常に研ぎ易くなっています。付属機能として、草を排出する方向(側面または背面)と、使用する刃のタイプ(ローブレードまたはハイブレード、あるいは鎌)を選ぶことができます。鎌型草刈り機だけでなく、他の種類の草刈り機も自治体での使用が可能です。鎌式の草刈り機だけでなく、ケルヒャーのシティクリーナーやシティキャリアも豊富なアタッチメントを備えており、様々な場所での作業に適しています。

沿道の緑地、休閑地、または果樹園の下草処理作業は、ハンマーナイフタイプの草刈り機が人気です。海外の自治体が行う遊具広場や公園での作業にも頻繁に使用されています。この機械は非常に頑丈で、摩耗が少なく、枝や低木を刈り取り、刈り込みの高さを自在に調節することができます。さらに、芝生の再生も促します。ただし、付属装置は非常に重く大きい音を立てる上、メンテナンスには手間がかかります。

ブレードの種類:

  • Yブレード:マルチング(根覆い)をきれいにし、直径4〜5cmの木をカットできます
  • 軽いフレイルブレード:切り口がきれいで、電力をほとんど消費せず、木の伐採だけでなく、公園での作業にも最適です
  • 重いフレイルブレード:直径8cmまでの木を切断、強く引っ張る力があり、非常に頑丈です

※シティキャリアにはアタッチメントして、ハンマーナイフがあります

 

ハンマーナイフを装着したシティキャリア

ハンマーナイフタイプの草刈り機と対照的なのがシリンダ芝刈り機です。しかし、実際には英国式芝生の専用機と言えます。たとえば、ゴルフコースや競技場では、芝生を1〜3cmの高さに非常にきれいにカットします。また、刈り取り幅が広く効率的です。ただし、刃は作業者が研ぐことができないため、メンテナンスの負担が大きく、費用がかかります。雨が降っている時や濡れた状態では使用できません。

回転式芝刈り機と刈払機は、海外の自治体の作業では殆ど使用されない、少し特殊な芝刈り機です。回転式芝刈り機は、実際には農業の用途に合わせて調整されていますが、年に2回刈るだけでよい氾濫原の牧草地でも使用され、高速で頑丈、稼働域の広さが特徴です。しかし、草を15cm未満の高さに切ることができず、切り落とした草を回収する必要があります。刈払機は、斜面での草刈りに使用されます。

2:雑草の除去

タンポポ、アザミなどは舗装ブロックの隅や隙間から生えてきます。これらを効率的に除去することは、道路清掃を管理する自治体や請負先にとって大きな課題です。雑草の発生段階に応じて、さまざまな除去方法があります。

雑草がまだ大きく成長していない場合は、熱による方法が適しています。通常450°Cまでの熱風または炎で、雑草を乾燥させます。種のたんぱく質が破壊されることで発芽を防ぎます。しかしながら、雑草は非常に丈夫です。熱風は地表上の雑草を枯らしますが、根を枯らすことは出来ません。つまり根が生きている限り成長は止まりません。

熱風による除去は、雑草の成長段階ごとに平均8回の作業が必要ですが、毎日行う必要はありません。ただし、除去作業の合間に雑草が再び成長する可能性があります。また、熱風による方法は、森林火災や都市火災の原因となる枝や葉が近くにない場合にのみ可能だということにも注意してください。

熱風による雑草除去

雑草が生い茂っても特に問題ない場合、作業は年の後半に開始できます。この場合、熱湯が最も効果的な方法です。植物の表面にのみ影響を与える熱風とは異なり、99°Cまで加熱された熱湯が根に到達すると、処理後2~3日で細胞が破壊されて成長は停止します。成長の過程で3回実施することをお勧めします。ただし問題は、長い間雑草が成長するのを我慢しなければならないことです。

ケルヒャーでは温水による除草を効率的に行える「温水除草システム」をご用意しています。熱湯の代わりに、蒸気を使うこともできます。熱湯と比較して必要な水の量は少なくなります。ただし、蒸気の熱が根に到達しないため、効果は長くは続かず、定期的に行う必要があります。

温水除草システムによる雑草除去

オオバコやタンポポが道に50cmほど侵入し、根が地中深く成長している場合は、シティキャリアが効果的です。シティキャリアを使用する際は、雑草を地面から引き裂く除草ブラシをアタッチメントとして使用します。この方法は下層土の組成に関係なく効果的です。また、バキューム機能によって細かな植物を回収することが出来ます。

除草ブラシによる除去は、雑草が一定の高さに達するまで行わない方が良いのですが、熱風や熱湯にくらべ手間をはるかに省くことが出来ます。

除草ブラシによる雑草除去

3:屋外エリアの清掃

花粉はほこりや汚れの中にとどまり、そこから雑草が成長します。これを防ぐために、繁殖の元となるほこりや汚れを取り除かなければなりません。最も効果的な方法は屋外を定期的に徹底清掃することです。

搭乗式スイーパーでの屋外清掃

比較的狭いエリア:搭乗式スイーパー・インダストリアルスイーパー

地面、土の種類、清掃範囲や距離によって最適な機器とアタッチメントは変わります。駐車場、屋外スイミングプール、または多目的ホール周辺の屋外エリアなどでは、搭乗式スイーパーが適しています。サイドブラシを使って淵と角を清掃し、メインブラシで道路の汚れを拾います。ほこりの発生を防ぐために、特に乾燥した場所では、サイドブラシを無効にして、メインブラシのみで作業すると良いでしょう。インダストリアルスイーパーのなかには、ほこりを結合するための散水が行える「サイドブラシ散水キット」を装着できるモデルもあります。 スイーパーには、バッテリー・ガソリン・ディーゼルなど、動力源が異なるモデルがあります。清掃範囲が狭い場合はバッテリー式のタイプで十分ですが、急な斜面では、より高い馬力がもとめられるため、他のモデルが適しています。

より広いエリア:シティクリーナー

通常、搭乗式スイーパーは清掃時は時速約4 kmまでしか出せないため、長距離や広いエリアを清掃するには適しているとは言えません。 より広いエリアは、シティクリーナーで清掃します。 清掃時の最大時速は10 kmであるため、長距離の公共交通道路でも清掃が効率よく行えます。汚れはサイドブラシで一掃され、吸引ノズルから吸収されます。シティクリーナーのもう1つの利点は、操縦席が快適で、エアコンなどの便利な機能を搭載しているため、一年中使用することができます。搭乗式スイーパーとは対照的に、乾いた地面だけでなく、0°Cまでのあらゆる天候にも適しています。

シティクリーナーでの屋外清掃

それぞれの清掃におすすめの製品

搭乗式スイーパー
搭乗式スイーパー

大容量のダストコンテナ、操作しやすいバネルのスイーパーです。効率良くゴミを回収できる巻き上げ方式でゴミの廃棄回数を減らします。

シティクリーナー・シティキャリア
シティクリーナー・シティキャリア

さまざまなアタッチメントがあり、清掃・除雪・草刈りなど様々な作業に対応できます。

温水除草アクセサリー
温水除草アクセサリー

温水高圧洗浄機に除草用ノズルを組み合わせて、雑草を効率的に除去します。