
温水除草システム®(HDS 8/17 M)導入企業:有限会社おっとちグリーンステーション様最新技術で有機農業を推進する、活力ある農業法人の挑戦
「おっとちグリーンステーション」は、宮城の2大ブランド米「ササニシキ」「ひとめぼれ」の名産地、宮城県登米市で有機栽培を推進する農業法人である。
有機栽培米と大豆を中心に、加工用の有機野菜や野菜の加工パウダー事業も手がけ、生産規模は合計約100haにも及ぶ。2025年には、政府が推進する「みどりの食料システム戦略」に基づき「みどり認定」を取得。水田の半分以上は有機栽培の圃場(ほじょう)で、徐々に有機栽培の割合を増やしているところだ。
従業員はパートも含めると約30人で、社員の平均年齢は30代と若く、地域の高齢化が進む農業現場の中では頼もしい布陣だ。そんな活力に満ちたおっとちグリーンステーションで、IT化や衛星による水位管理などの新技術を次々に取り入れているのが、執行役員の中村浩幸氏である。九州電力グループで設備製造に携わった技術者で、おっとちグリーンステーション創業者の考え方に魅了されて登米へ移り住んだ。
農業は未経験からの挑戦だが、「元々が製造業で、農業にかかわる開発も多かったですし、農業も“生産法人”という位置づけで考えると、同じ製造業だと思うんです」と中村氏。
今回、ケルヒャーの「温水除草システム®(HDS 8/17 M)」を新たに導入した理由を聞いた。

有機栽培の2大作業「除草」と「清掃」が1台で解決
中村氏は、有機栽培を進める上で避けて通れない壁は、「除草」と「清掃」の2つだという。
「有機栽培で、いちばん大事なのは除草。もう1つは清掃。この2つがすごく大事なポイントです」
おっとちグリーンステーションの「除草」の悩みは、育苗ハウス周りの草刈りだった。刈払機を使っていたが、ハウスのすぐ脇はビニールを傷めるリスクがあるため、鎌で手刈りをしなければならず、大きな労力がかかっていたのだ。
もう1つ、「清掃」の悩みはトラクターの頻繁な洗浄である。
「有機JAS認証※を受けた圃場の運用では、農薬や化学肥料を直接田んぼに撒いてはいけないだけではなく、他から肥料や農薬が付着した物を持ち込んでもいけないというルールがあります。そのため、トラクターは有機圃場に入る前に必ず洗浄し、きれいな状態で入らなければいけません。また、それをしっかり管理記録に残す必要もあります」
ケルヒャーの温水除草システム®(HDS 8/17 M)は、除草と清掃の両方を1台で解決でき、有機栽培のルールを遵守するおっとちグリーンステーションのニーズに合致していた。
「ケルヒャーの温水除草システム®(HDS 8/17 M)は、除草と清掃、この2つがうまく重ね合わせられた製品で、これならうちの課題が一度に解決できる。すごくフィットすると思ったんです」と中村氏は導入の決め手を語る。
※有機JAS認証:農林水産大臣が定めた品質基準や生産基準をクリアした「有機食品」にのみ付与される証明。この認定を受けた事業者だけが「有機JASマーク」をつけることができ、マークのない商品に「有機」や「オーガニック」と表示することは法律で禁止されている。JASは「Japanese Agricultural Standards(日本農林規格)」の略称。
有機JAS認証のためには、農薬や化学肥料を圃場に撒かないだけでなく「持ち込まない」ための機材清掃も重要なルールだ
温水高圧洗浄機(HDS 8/17 M)を荷台に乗せて、トラクターに横付けして洗浄したり、ハウス脇に運んで除草したりと、1台をフル活用している
パワフルな温水噴射で、トラクターの泥がみるみる落ちていく。洗浄剤を使うこともなく、お湯だけできれいにできるところも、有機栽培に適した製品だ

除草回数を最大約40%、作業人員を最大約50%削減。誰でも使えて現場が効率化
導入後の分かりやすい効果としては、除草回数の削減がある。これまでハウス周りは年に4~5回の草刈りが必要だったが、温水除草を実施した箇所は年3回に抑えられ、除草回数を最大約40%削減できた。
さらに、温水除草システム®の導入は、“限られた人数で回す”という現場の効率化にもつながった。
「農業の現場は、限られたメンバーでどれだけの作業をこなせるかが大事です。その点、温水除草システム®の、どんな人でも使える操作性のよさはメリットでした。普段は現場に出ていない人でも作業ができるんです」
取材当日も、除草作業は事務の女性が行っていた。ハンドル(トリガーガン)を握って押すだけの簡単操作で、温度管理も表示が出るので分かりやすく、刈払機のように危険を伴うこともない。
また、温水除草は障害物の多いハウス周りの除草にマッチしていたと中村氏は言う。
「育苗ハウスが立ち並ぶ場所は、資材やトラクターが置いてあったりして、狭くて複雑なエリアです。そのため、刈払機の取り回しには気を使うのですが、温水なので障害物も関係なく、ザーッと除草できるのがいいですね」
刈払機と手刈りのみだった頃は、3~4名が空いた時間を利用して断片的に除草作業を行っていたが、温水除草を導入してからは、2名体制で期間を決めて行うようになった。草が伸びすぎると除草効率が落ちてしまうため、草が短いうちに温水除草をするように実施タイミングを管理した結果、場当たり的な除草作業はなくなり、作業時間も短縮。作業人員を最大約50%削減できた。
ハウスの脇の温水除草は、誰でも担当できる。普段は現場に出ない人でも作業できることで、効率化が進んだという
ノズルアダプタのWR 50にはタイヤがついており、女性でも楽に動かせて、除草に最適な距離を維持し続ける
トリガーガンのスイッチ部分を握るだけで温水が出てくるので、握りながら歩くだけの簡単操作だ
温水除草システム®により、「除草剤ゼロ」体制が確立
実は、有機栽培における温水除草システム®の効果の核心は、人工数の削減以上に“除草剤ゼロ”の実現にあると、中村氏は語る。
温水除草を行う前は、ハウス周りの除草は刈払機だけでは足りず、やむを得ず年1回は除草剤を撒いていたエリアもあったが、温水除草を取り入れてからは、「ハウス周りの除草に、除草剤は一切使わない」という方針を打ち出せたのだ。
「今までは“除草剤ありき”でやっていた作業が、温水除草によって“除草剤ゼロ”を実現できました。除草剤を使わなくても、除草できる体制を確立できたというのは、有機栽培を推進する私たちにとって、一番のポイントなんです。おかげで、当社のハウス全棟で有機栽培ができる環境を作ることができました。すごいですよね、本当に熱と水だけで除草できるんですから」
温水除草システム®で、「除草剤ゼロ」を実現。熱と水だけで除草ができることが、有機農業では何より価値が高い

温水除草システム®が、持続可能な有機農業の仕組みを支える
中村氏によると、日本で有機農業を行う農家はわずか0.5%ほどだ。
有機農業は、環境にやさしいというイメージだけで語れるものではない。「技術も難しく、人手もお金もかかります」と中村氏。それでも、これからの持続的な農業に、有機農業は切り離せないと語る。背景にあるのは、化学肥料や農薬、種など、多くの農業資材を海外に依存している現状だ。中村氏は「食料自給の前に、“肥料自給”や“資材自給”を考えなければならない」と指摘する。
同社では、関東の学校給食の食べ残しを堆肥にし、有機肥料として活用する食品残渣(ざんさ)循環の取り組みも進めている。食品残渣の利用は環境への負荷低減だけでなく、残渣に含まれる微量要素がお米の食味向上にも貢献しており、全国から定期購入の相談も後を絶たないという。
中村氏が目指すのは、“魅力ある農業を持続可能な産業として成り立たせる”ことだ。ケルヒャーの温水除草システム®は、そのための道具の1つとして、除草の “脱農薬化” を果たし、農機具清掃の面からも有機栽培の運用を支え、限られた人員でも回せる持続可能な現場づくりに役立っている。おっとちグリーンステーションの“持続可能な農業”の設計の一部に、しっかりと組み込まれているのだ。
有機栽培では、JASに適合した培養土を使う。日本の農業を“肥料自給”“資材自給”から考えたいという中村氏
おっとちグリーンステーションの社員の平均年齢は30代。皆さん活発に、農業の様々な課題に取り組んでいる。笑顔が絶えない職場だ
パレットに表示された「ひとめぼれ・特別栽培米 無農薬無化学肥料」の言葉の重み。有機栽培米や野菜を求めて、全国から引き合いがある
おっとちグリーンステーション様 導入インタビュー動画
おっとちグリーンステーション様の導入インタビューを、動画でもご覧いただけます。
導入製品
製品ページで製品スペック、カタログをご案内しています。
お客様導入事例一覧
この他にも、ケルヒャー製品を導入されたことで清掃に関する問題を解決されたお客様の事例をご案内しています。
有限会社おっとちグリーンステーション様(有機農業の温水除草システム®活用)
有機農業の2大作業は「除草」と「清掃」です。その2つのお困りごとを1台で解決するために、温水高圧洗浄機を導入した結果…。
阪急阪神クリーンサービス株式会社様(ビル清掃ロボット活用&バッテリー統一)
関西屈指のオフィスタワー「グラングリーン大阪」。資機材庫の狭さという制約の中で、ロボット活用と省スペース化を一気に解決した秘訣とは...。
DBシェンカー社 シュトゥットガルト空港事業所 様(大型物流倉庫床清掃)
事業所を長年悩ませてきた「カーボンブラック、タイヤカス、煤(すす)などの黒い粉塵」の洗浄に床洗浄ロボットを導入した結果...。
株式会社 横浜国際平和会議場-パシフィコ横浜 様(ビル清掃業務改善)
広大なカーペットフロアの安全かつ速やかな清掃に、カーペット仕様にカスタマイズした搭乗式スイーパーなどを次々に導入した結果...。